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3月, 2023の投稿を表示しています

NHK「戦禍の中のHAIKU」、ロシア編を書籍化

  『俳句が伝える戦時下のロシア―ロシアの市民、8人へのインタビュー』が3月10日、現代書館から発刊された。NHK ETV特集で放映した「戦禍の中のHAIKU」から、ロシアで暮らす8人の俳人へのインタビューと俳句を書籍化したもので、 番組で一部放映したインタビューの詳細な内容や未放映の俳句も取り上げている。編訳者はNHKディレクター馬場朝子(ともこ)氏。判型四六判、ソフト上製224ページで、定価2000円+税。  現代書館による紹介文では、「ロシアによるウクライナへの突然の軍事侵攻から、2月24日で1年になります。軍事侵攻、言論統制、他国からの制裁、予備役の動員……、激化していく戦争の渦中で、ロシアに暮らす人たちは何を思い、どのように暮らしているのか、そしてこの「戦争」をどう見ているのか」として、次のように記載している。「本書は、2022年11月19日にNHK ETV特集で放映された『戦禍の中のHAIKU』で紹介しきれなかった、ロシアの俳人への10時間以上にわたるインタビューと、かれらの俳句をまとめたものです。戦争の渦中に生きるロシア市民の率直な思いが、時に沈黙をはさみながら語られます」。  馬場朝子氏によると、日本の俳句は五、七、五の十七音だが、英語やロシア語では母音と子音を組み合わせた音節で五、七、五を数える(字余りがあり、季語がないこともある)。三行で書かれることも多く、「三行詩」とも呼ばれるという。「意外かもしれませんが、実はソ連時代から俳句は親しまれています。ソ連崩壊後はインターネットでも交流が進み、さまざまな俳句サークルも誕生し、俳句ブームが起きました。モスクワでは日本の国際交流基金主催の国際ロシア語俳句コンクールも開催され、本格的な俳人たちも育ってきました」。  なお、NHK ETV特集ではウクライナに暮らす7人の俳句とインタビューも放映しており、これらウクライナ人の俳句とインタビューもまとめ、書籍化する計画という。 [目次] ナタリア 教会の鐘響くモスクワの町で   俳句は小さな器   戦争があっても続く「子ども時代」   戦争か平和か、トルストイの問い   何が起きているのか、知っている   自分をケアすること   カラスの沈黙の行方   俳句は私の大きな力 アレクセイ 情報戦の渦中で   アメリカで俳句と出会う   ニンニクが発する警告   痣で

ウクライナでの新作含め『増補バンクシー・アーカイブ』発刊へ

     グラフィック社は4月、書籍『増補バンクシー ビジュアル・アーカイブ』を発売する。同書は『バンクシー ビジュアル・アーカイブ』(2018年、グラフィックス社刊)の作品情報を最新版に更新、前回より24ページ増やしたもの。本文はB6変形で総164ページ、定価2200円(税込)。  バンクシーはイギリスを拠点に活動し、世界でもっとも知られたストリート・アーティストのひとり。少女と赤い風船を描いた作品が、オークション落札直後にシュレッダー付きの額縁によって切り刻まれたニュースにより日本での知名度も最高潮となった。新刊書籍はこのアート界の異端児「バンクシー」を知るための一冊。  代表作はもちろん、コロナ・パンデミック関連作やウクライナ・キーウ近郊の爆撃建造物に残された最新作までを一挙紹介。わかりやすい解説とともに作品写真を掲載し、描かれた地点を時代別に世界地図にマッピング。著者ザビエル・タピエスは同書のほか、“Where's B**ksy? Banksy's Greatest Works in Context”、“Street Artists 2”、“Street Art and the War on Terror”、“Women Street Artists: The Complete Guide ”などストリートアート関連のビジュアルブックを手がける。  ホームページ: http://www.graphicsha.co.jp/   ツイッター: https://twitter.com/Gsha_design

戦禍前のウクライナの美しい風景を綴った写真集発刊

  日経ナショナルジオグラフィック(東京都港区)は3月20日、 『美しきウクライナ 愛しき人々・うるわしの文化・大いなる自然』を発刊した。ウクライナの戦禍がおよぶ前の美しい風景を 丁寧に綴った写真集で、ロシア侵攻によって破壊された自然や文化がどのような姿だったかをビジュアルに確認できる本とも言える。本文228mm×189mmで定価 2,750円(税込)。  著者はウクライナの人と場所の物語をウクライナ人自身が知り、世界にも伝えることを目的として 2016年に発足、600人以上のボランティアが参加する「ウクライナー」。発足以降、ウクライナとはどんな国か、ウクライナ人とは何なのかをテーマにプロジェクトが立ち上がり、ウクライナ各地をくまなく訪ね、美しい自然、そこに生きる人々、受け継が れる伝統などを取材し記録に収めてきた。その成果がまとまったのが今回の写真集。  ユネスコ世界遺産のキーウ洞窟修道院、小さなトロッコ列車、マルマロシュ山や国立トゥズリ潟湖公園、 新年の仮面祭り、美しさで名高いアジホリシキー灯台、伝統のオピシュネ陶芸やペトリキウカ塗りなど、有 名な観光地から、あまり知られていない小さな村まで、 2年半をかけてウクライナ人自身がウクライナ全州 を訪ね歩き、歴史、文化の独自性や多様性を守り抜く人々の日常生活を記録。世界中に大きな影響を与え、今も終わりが見えない戦闘の中、本当のウクライナの姿をビジュアルで知る ことができる。   日本語版監修者は平野 高志氏。1981年、鳥取県生まれで、東京外国語大学ロシア・東欧課程卒業し、2013年にリヴィウ国立大学修士課程修了。2014~ 18年に在ウクライナ日本国大使館専門調査員、2018年からウクルインフォルム通信日本語版編集者としてウクライナー にボランティアとして参加。著書に『ウクライナ・ファンブック』(パブリブ)がある。 https://nationalgeographic.jp/atcl/product/23/022100014/     

岩波ジュニア新書『10代が考えるウクライナ戦争』

  岩波ジュニア新書から2月21日、ウクライナへの軍事侵攻について各地の高校生の思いなどを同新書編集部が聞いた『10代が考えるウクライナ戦争』が発刊された。ロシア文学者の奈倉有里、ジャーナリストの池上彰からのメッセージも掲載。カバー表紙は10代の若者を中心に約200人が参加して制作した作品「Pray for PeaceUkraine」。  岩波書店の紹介文では、「21世紀に起きた大国による軍事侵攻を若い世代はどのように受け止めているのでしょうか。衝撃、不安、怒り、苛立ち、不信、そして自分に何が出来るのかを模索する若者たち……。各地の高校生に率直な思いを聞きました。若い世代が戦争と平和について共に考えるための一冊です」と記載。高校生から思いを聞くため、各地で座談会やインタビューを実施したという。協力校は東京都立国際高等学校、早稲田佐賀高等学校、愛知県立豊田南高等学校、渋谷教育学園渋谷中学高等学校、玉川聖学院高等部の5校。  高校生の発言では、「お互いに正義がある。ロシアの正義とウクライナの正義」、「ロシアを一方的に『悪』と決めつけるのではなく、両者の視点から見ることが大事」、「下手に自分の意見を持つということは危険だと思う」、「ウクライナ側だけから情報を仕入れるは偏った正義だと思う」など、中立的な立場を取ろうとする意見が目立つ。もちろん、「侵攻は被人道的だと思う」、「侵攻は残酷なことだし犯罪だと思う」とプーチン大統領を非難する意見も多い。しかし、中には「ロシアの侵攻のニュースは先生が教えてくれて、初めて知りました」というとぼけた発言もある。  池上彰のメッセージ「21世紀の理不尽な戦争をどう考えるか」では、高校生たちの発言について次の感想を記している。「私と同じような衝撃を受けた生徒がいた一方で、そもそもテレビを見ないので戦争が始まったことを知らなかったと言う発言には驚きました。そういう時代になっていたのですね。また、冷静な分析も多数ありました。これには感心する一方で、『そんなに冷静に受け止めているだけでいいのか』という反発も感じました。今回の最大の問題は、国民から選挙で選ばれた指導者が、他の主権国家を武力で侵略したということです」。

米アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞に「ナワリヌイ」

   第95回米アカデミー賞授賞式が3月12日、カリフォルニア州ロサンゼルスで開催され、長編ドキュメンタリー賞にロシアで収監中の反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏を追ったドキュメンタリー映画「ナワリヌイ」が選ばれた。同作品はアメリカで昨年4月に公開、日本では7月に東京のミニシアター3館で初公開、その後各地の映画館で上映された。(授賞式の写真はWOWOW放映時にカメラ撮影)  授賞式では、暗殺未遂事件の直後からナワリヌイ氏や家族、調査チームに密着し、同作を極秘裏に製作したカナダのダニエル・ロアー監督がまずあいさつ。「今日、ここにいない人がいる。それはロシア反体制派のA・ナワヌイリ。今も独房にいる。世界は君のメッセージを忘れていない。独裁や権威主義との闘いを恐れてはならない」。  このあと、ダニエル・ロアー監督と共にステージに上がったナワリヌイ氏の妻ユリアさんが「夫は真実を語ったために収監されました。ただ民主主義を守ろうとしただけなのに刑務所にいます。アレクセイ、あなたと私たちの国が自由になる日を夢見ています。心を強く持ってね」と語った。 スピーチするナワヌイリ氏の妻ユリアさん   映画「ナワリヌイ」では、飛行機の中で毒殺未遂にあった後にドイツで治療を受け、回復したナワリヌイ氏が事件について調査する様子を追った。最後に同氏は2021年1月にロシアに帰国し空港で逮捕され、詐欺罪などで11年6月の禁錮刑を言い渡された。映画ではどのように撮影したのか分からないが、収監中のナワリヌイ氏も映し出される。

国際刑事裁判所がプーチン大統領に逮捕状

  3月18日付ロイターワールドニュースは、 国際刑事裁判所(ICC)が17日にロシアのプーチン大統領に対し、ウクライナでの戦争犯罪の責任を問う逮捕状を発行したと報道した。それによると、ICCは子どもの不法な送還とウクライナ領土からロシア連邦への不法移送の疑いでプーチン大統領の逮捕を要求、「犯罪は少なくとも2022年2月24日からウクライナの占領地で行われたとみられる。プーチン氏が前述の犯罪について個人的に刑事責任を負うとみなす合理的な根拠がある」とした。(写真画像はウクルインフォルムから)  プーチン大統領のほか、ロシア「子どもの権利担当大統領全権代表」のマリヤ・リボワベロワ氏に対しても逮捕状を発行した。ロイターニュースによると、ICCのカリム・カーン主任検察官は声明で、数百人のウクライナの子どもたちが孤児院や児童養護施設から連れ去られ、多くがロシア国内で養子に出されたと指摘。ロシアに連れ去られた時期、子どもたちは戦時における文民の保護を定めたジュネーブ条約第4条の下で保護されていたと述べた。ロシアもウクライナもICCに加盟していないが、ウクライナは自国の領土で起こった犯罪を起訴する権限をICCに許諾している。123カ国が加盟するICCは独自の警察部隊を持っておらず、容疑者を拘束、裁判に向け移送するのは加盟国に一任している。しかし、今回の逮捕状でプーチン大統領がICC加盟国に渡航した場合、逮捕されICCに移送される可能性がある。  3月18日のNHKニュースWEBによると、ウクライナ東部のロシア系住民の保護を名目に軍事侵攻に踏み切ったプーチン政権は、子どもたちを戦闘地域から避難させるのは当然だと正当化し、ウクライナの子どもをロシア人の養子にする取り組みを進めているほか、政権の主張に沿った愛国教育を行っている。「プーチン大統領はこれらの取り組みを後押しするため、去年5月、大統領令に署名し、ウクライナの孤児がロシア国籍を取得したり、ウクライナ国籍の子どもを養子にしたりする手続きを簡素化しています。こうした政策を中心になって進めてきたのが、子どもの権利などを担当する大統領全権代表のマリヤ・リボワベロワ氏です。先月、プーチン大統領と面会した際にも、何千人もの子どもをウクライナからロシアに移動させ、各地で養子縁組を進めていると報告していました。また、ロシア人の養子になったウ

学研グループがウクライナ難民支援プラットフォーム構築

  学研グループのアイ・シー・ネットは2月、ウクライナ難民支援のプラットフォームを立ち上げた。本当に必要な製品やサービスをウクライナ難民に届けるため、日本企業に支援の輪を広げていくという。(写真は教育支援が必要な団体へのインタビューの様子)  ウクライナから避難している人々は衣食住に関する必要最低限の支援を、国際機関や政府などから受けている。しかし、避難生活が長期化した今、QOL(Quality of life)を重視した支援も必要とされている。2022年から3回実施した聞き取り調査でも、現地で必要なニーズが時間と共に変わってきている。一方で、日本企業がウクライナ支援をしたい意思があっても、自社で現地のニーズに合った支援を直接届けることは難しく、寄付ではどのように使われたのかが分からない。そこで、同社では日本企業が扱う商品・サービス、さらには支援の意思を現地に顔が見える形で届ける仕組みとしてプラットフォームを構築した。    プラットフォームで支援する対象国は、ウクライナの隣国ルーマニア。2月時点で11万人以上のウクライナ人が同国に避難しているが、公的な支援が及ばない部分や、ウクライナ語が通じず生活のあらゆる面で支障があるといった課題がある。現地でのニーズ調査の結果をもとに、子どもたちの教育環境の整備、高齢者の介護、女性のヘルスケア、人々のメンタルケアなどの支援を予定している。  プラットフォームでは、参画企業から提供された商品やサービスを必要な支援先に届けるだけでなく、受け取った現地の人々からの声などをフィードバックする。これは、より効果的な支援につなげるという目的に加え、当該地域での事業展開に役立ててもらいたいと考えている。   <具体的な支援ニーズはWEBサイトを参照>    https://www.icnet.co.jp/business/ukrsupport/platform  

南米アルゼンチンにロシア人妊婦が続々入国

  3月7日のNHKニュースウォッチ9で、「南米アルゼンチンにロシア人妊婦が続々入国」という衝撃のニュースが流れた。「女性たちは妊娠中にもかかわらず、アフリカや中東を経由し、25-30時間かけてロシアからアルゼンチンにやって来たとみられる」。実はこのニュースはBBCなど海外メディアで報道されているが、日本ではまだ知っている人は少ないとみられる。  2月12日のBBCニュースジャパンは、ここ数カ月でロシア人の妊婦5000人以上がアルゼンチンに入国、1つの航空機で妊婦33人が一度に入国したケースもあったと報じた。「アルゼンチンの移民当局によると、最近入国した女性たちは全員妊娠後期で、アルゼンチンで出産し、同国の市民権を得るのが入国の目的とみられる」。アルゼンチンでは同国で生まれた子どもには直ちに市民権を付与、両親も一時滞在が認められ、労働許可証も与えられるという。  3月1日付のウォールストリートジャーナル日本語版は、孤立を深める独裁国家から遠く離れた場所で新たな生活を築きたいという思いから、多くのロシア人妊婦とパートナーがアルゼンチンに移住していると報じた。「アルゼンチン政府の移民統計によると、2022年1月以降に到着したロシア人は2万2000人超で、その多くは中・上流階級だという。当局者の話では女性の数が増えており、アルゼンチンで出産する人もいる」。多くのロシア人は毎日運航しているモスクワ発のエチオピア航空便を利用しており、アディスアベバとサンパウロを経由する便で運賃が約2500ドル(約34万円)と比較的安価という。

ウクライナウォッカ「ディスティルNo9」初回輸入分完売

  酒販事業を展開する高浜市の運送会社エーアイエスは、日本初輸入となるウクライナ産ウォッカ「Vodka Distil( ディスティル)No9」の初回輸入分が2月末で完売したと発表した。同ウォッカは構想から9カ月後の昨年末、中部空港にボトル576本が到着、1月24日から自社ネットショップ「たまにわ酒店」で販売開始していた。販売にあたっては安城市の一般社団法人ウクライナ人道支援ジャクユーサポート葛西孝久代表理事が仲介、日本への輸入を実現した。  エーアイエスのウェブサイトによると、ディスティルNo9 はウクライナ全土で生産されるウォッカの2%にあたる小麦のみを原料でつくられ、丁寧に濾過されたクリアーな味わいの中に繊細な麦の香りを持つ、スモールバッチで生産されているプレミアムウォッカ。。アルコール度数は40度で、容量700ml。小売価格4,680 円(税込)。飲み方として、安城市の「ミクソロジーバー ラトリエ」のオーナーバーテンダー考案のカクテル3種類を提案している。  ネットショップたまには酒店では、「1月24日より販売を開始したウクライナ産ウォッカDistil No9ですが、皆さまの応援を頂き初回輸入分が完売となりました。誠に・・・誠にありがとうございます!!! 次回発注はすでに完了し、停電を乗り越えながら日本に向けて生産を開始してもらっています。戦火の拡大による遅延が無ければ、次回入荷予定は4月上旬頃の予定です」と記載。次回輸入分の予約も開始している。  ネットショップたまには酒店   https://tamaniwa-cellars.com/ twitterで駐日ウクライナ特命全権大使もPR