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6月, 2022の投稿を表示しています

Web「ジャクユーサポート」制作へ、NHKが放映

  NHKが東海・北陸地域で平日の午後6時10分から放映している情報番組「まるっと!」では、29日にウクライナ支援のためのウェブサイト「ジャクユーサポート」を取り上げ、7月上旬の公開に向けて打ち合わせを行う制作現場の様子を放映した。このウェブサイトはウクライナから帰国した愛知県安城市の葛西孝久氏が代表理事となって、立ち上げた一般社団法人ウクライナ人道支援ジャクユーサポートが制作を進めているもの。    番組では冒頭、葛西氏が妻と12年間、ウクライナで現地の人たちに日本語を教えてきたが、ロシアによる軍事侵攻を受けて今年3月に首都キーフから帰国したことを紹介。「これまでウクライナから日本に避難してきた教え子を支援してきました。現地への支援を本格化するため、一般社団法人を立ち上げて、今日はウェブサイトの制作に向けて打ち合わせを行いました」とナレーションが入り、安城市御幸本町の企画・デザイン制作会社で行った打ち合わせの様子を放映した。  ウェブサイトについては、「個人や企業からウクライナへの寄付を募ると共に、県内に住む男性が制作したアート作品を掲載する予定。将来的には、他のアーティストの作品を掲載し販売することを検討している」と説明。第1弾として掲載するアート作品、安城市在住の野村郁夫氏が鳩と小麦をあしらって描いた絵画を画面で大きく紹介。最後に、テレビ画面に向かって葛西氏が「SNSなどを通じて現地と毎日連絡をとっています。一番有効な支援を考えていきたいと思つています」とコメント。一般社団法人ウクライナ人道支援ジャクユーサポートのウェブサイトは来月上旬から公開予定とナレーションと字幕が入り、放映を終了した。

映画「ドンバス」

    2018年にウクライナ出身のセルゲイ・ロズニツァ監督作品「ドンバス(DONBASS)」がヒット、東京のヒューマントラストシネマ有楽町では6月23日の平日でも満席状態が続いている。同映画は2018年カンヌ国際映画祭で「ある視点部門」の監督賞を受賞したが、日本ではこれまで上映されていなかった。しかし、ロシアによるウクライナ侵攻の前兆を捉えた重要映画として配給会社サニーフィルムが上映を決定、5月21日に東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムで2週間限定の公開を行い、6月3日からヒューマントラストシネマ有楽町などで全国公開した。  2014年に一方的にウクライナからの独立を宣言、親ロシア派「分離派」によって実効支配されているウクライナ東部のドンバス地方。「武力衝突が日常的に起きているこの地域にはロシア系住民が多く住み、分離派の政治工作によってウクライナ系住民との分断が深まり内戦となっている。フェイクニュースやプロパガンダを巧みに駆使する近代的な情報戦と、前時代的で野蛮なテロ行為が横行するドンバスのハイブリッド戦争を、ウクライナ出身の異才 セルゲイ・ロズニツァ監督がダークユーモアを込めながら描く ⏤⏤が、今日の戦争でロシア軍の所業を知った今、もはやまったく笑えない映画に変貌を遂げた」(映画パンフレットから)。  東海地方では名古屋の伏見ミリオン座で6月3日から16日まで公開、すでに終映している。このためか、同じ名古屋の名演小劇場で6月24日に緊急公開された(30日までの予定)。

世界ふれあい街歩き「キーウ特別版」

    NHK総合放送では6月14日、午前0時25分から1時半まで「世界ふれあい街歩き<ウクライナ キーウ特別編>」を放映した。2019年に戦禍前のウクライナのキーウ(キエフ)を歩いた番組を再放送したもので、深夜放送だったのにも関わらずネットなどで話題を呼んだ。  ナレーターはイッセー尾形。市電の走る旧市街地、路上でのヒマワリ売り、当時使われた装甲車、緊急車両も並ぶチェルノブイリ博物館、ドニエプル川にかかる新しい橋、露店の並ぶアンドレイ坂、公園での22弦のバンドゥーラ演奏、反政府デモ隊の病院になった聖ミハエル黄金ドーム修道院などをゆったりと街歩き。街が一望できる橋のそばには巨大なウクライナとロシアの友愛アーチが設置されているが、中央に黒いヒビが入れられており、放映時すでに両国の関係は険悪な状態に陥りつつあったことがよく分かる。街歩きでは東部軍事衝突の戦死者の写真を並べた壁を映し、帰還兵によるピザづくりの子ども教室にも訪問した。  再放送の番組終了後、イッセー尾形が画面に現れ、放映から3年経ったキーウの現在の状況について簡単に説明。アンドレイ坂は露店がなくなりひっそりした坂道となり、聖ミハエル黄金ドーム修道院にはロシア軍の壊れた戦車が残されるなど、穏やかな日常が一変してしまった現在のキーフの姿も写真で紹介。さらに、ピザづくりの子ども教室はロシア軍侵攻で即閉鎖、帰還兵は再び戦地に向かい、責任者の1人は戦死、バンドゥーラを演奏していた男性は53歳で軍事訓練を受け始めたと説明。「1日も早くウクライナに平和が戻ることを祈っています」というイッセー尾形の言葉で特別編は終了した。  ネット上ではこのキーウ特別編が深夜放映だったこともあり、再放送を望む声も高まっている。ゴールデンタイムなど多くの人が視聴できる時間帯に再放送してもらいたいと思う。