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7月, 2023の投稿を表示しています

諜報機関に支配されるロシアの実態、中公新書『諜報国家ロシア』発刊

    これまでほとんど語られることのなかったロシアの諜報国家としての一面を掘り下げ、ロシアのウクライナ侵攻の裏に何があるのかも探った『諜報国家ロシア』が中公新書から発刊された。著者はソ連・ロシアのインテリジェント(諜報)活動を研究する保坂三四郎氏で、副題は「ソ連KGBからプーチンのFSB体制まで」。    本文は6章と終章で構成。第1章はKGBの歴史、組織、要員。「KGBを警察やスパイ期間程度に捉えているとしたら、それは間違いだ。KGBは国家と社会にに広く浸透する『国家の中の国家』と言われる存在だからだ。ロシアのFSBは、KGBをほぼそのまま踏襲したため、それを理解することは、現代ロシアの体制や思想を理解する上でも不可欠」。第2章は、ソ連崩壊後もKGBが事実上存続したかを考える。第3章は、現在も使われるKGBの基本的な戦術・手法を紹介。第4章は、メディアと政治技術。第5章は、共産主義に代わるチェキスト(秘密警察職員)の世界観。第6章はロシア・ウクライナ戦争、終章は全面侵攻後のロシア。  第6章では、対ウクライナ偽情報作戦の一員として専門家会議に参加していたカザコフという自称政治学者を取り上げ、元外交官で評論家の佐藤優が同氏を友人として信頼を寄せていると指摘。そして、この友人から提供される情報をもとに日本の複数のメディアで、ウクライナ政府にネオナチや反ユダヤ主義者がいるとして、日本政府のウクライナへの支援を牽制。その一方で、2014年に予定されていたプーチンの訪日については米国の意見に左右されることなく、実現されるべきだと主張した。「佐藤は、クレムリンから定期的に日本の政治家やメディア向けのテーマ集を受け取っている」と、毎日新聞に書いているという。  中央公論の「Web中公新書」では、著者の保坂三四郎氏のインタビューを掲載している。その冒頭部分は次の通り。   ――本書は、KGBとFSBの歴史や思想、工作の手法が事細かに描かれています。保坂さんは、そもそもなぜロシアのインテリジェンス研究を始めようと思ったのでしょうか。  私はもともと、現代のウクライナ人の歴史的記憶などを研究しており、実はつい数年前まで、KGBどころかFSBにもそれほど関心がなく、まさかインテリジェンス研究を手掛けるとは思ってもいませんでした。  ところが2016年に、ハッカーがリークしたロシア大統

碧南・にいみ農園のひまわり畑が今年も開花

  トマト、ミニトマトで知られる碧南市桃山町のにいみ農園は、5月中旬から直売所の周りに散在する畑にひまわりの種をまいているが、1番目にまいた畑のひまわりが満開となった。このひまわり畑は清水町交差点北側で、7月11、12日には畑の横の駐車場に車を止めて家族連れ、アベックなどが次々と見学に訪れ、満開の花と記念撮影していた。中には高齢者を引き連れた団体や、3人組のライダー仲間もいた。   にいみ農園がひまわり畑を始めたのはコロナ禍が日本で始まった年で、今年で4年目になるという。種をまく時期を少しずつずらし、7月上旬から8月中旬(予定)まで順番に畑にひまわりの花を咲かせるようにしている。最初に咲いたのは清水町交差点北側の畑で、昨年はなかったすぐ隣の道路沿いの小さい畑は7月12日にはまだ開花していなかった。また、交差点南側の畑もちらほら花が咲き始めた段階だった。   直売所では、トマト、ミニトマトなどを購入した来店客にひまわりの種が3粒入った小袋をプレゼント。その袋には、「みんなで咲かせよう・・  “ひまわり満開の輪”」と見出しをつけた次のような文章が書いてあった。「今年も栄養満点の畑作りの為に『緑肥』としてひまわりの種を蒔きます。今年もたくさんの方に見てもらえるように蒔きましたので、どうぞお楽しみに」。また、配布の種は表面がカビないよう処理してあり、種蒔き後約2カ月で開花するという注意書きもあった。 碧南・清水町交差点北のひまわり畑 太陽に向かって咲いているひまわりの花 道路沿いの隣の畑はこれから開花 清水町交差点南の畑も所々で開花  なお、昨年のにいみ農園のチラシではひまわり畑の狙いについて、次のように記載していた。「冬の美味しい野菜を作るために夏の時期に『緑肥植物』を育て、豊かな畑の土作りを行います。『緑肥植物』には、ひまわりの他ににレンゲやクローバー、トウモロコシなどもありますが、コロナや戦争で心が痛んでいるため、元気の出る黄色い色で世界が明るくなればと考え、ひまわりを撒きました。」 直売所の購入客に種入り小袋プレゼント

ATP賞テレビグランプリにETV特集「ウクライナ市民兵の8年」

    第39回目の創り手が選ぶ創り手のための賞『ATP賞テレビグランプリ』では、7月6日受賞式の場で部門賞トップとなる「グランプリ」と新人賞トップとなる「最優秀新人賞」の発表を行った。このグランプリと最優秀新人賞は、ATP会員社125社を対象にした投票結果により決まり、グランプリには101票中43票を獲得したドキュメンタリー部門の「ETV特集 ブラッドが見つめた戦争 あるウクライナ市民兵の8年」(製作オルタスジャパン、NHKエデュケーショナル/放送NHK Eテレ)が選ばれました。  このほか、最優秀新人賞には101票中34票を獲得し、丸山梓 氏(NHKエンタープライズ)が「ようこそ認知症世界へ(NHK Eテレ)」の演出で選ばれた。式典の模様は、9月4日深夜、24時10分~25時09分 NHK BS1で放送の予定。 【第39回ATP賞テレビグランプリ 受賞作品】   https://www.atp.or.jp/awards/atpaward/award_039.php    選考対象:2022年4月1日~2023年3月31日に放送・配信された番組  応募総数:197作品

有名なクリスマスの歌がタイトルの『キャロルオブザベル』公開

    第2次大戦下、領土を奪われ翻弄されるウクライナ、ポーランド、ユダヤ人の3家族が大地と子供たちを守り抜こうとする物語『キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩』が7月7日に全国公開される。現在もキーウに住み、子どもを持つ母親であるオレシャ・モルグネツ=イサイェンコ監督がロシアのウクライナ侵攻前に作り上げた作品。東京では新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、アップリンク吉祥寺、池袋シネマ・ロサなど6館で同日から上映され、愛知県では名古屋市の伏見ミリオン座で同じ7月7日から上映開始される。  クリスマスキャロルとして有名な「キャロル・オブ・ザ・ベル」は、ウクライナで古くから歌い継がれている民謡「シェドリック」に1916年“ウクライナのバッハ”との異名を持つ作曲家マイコラ・レオントーヴィッチュが編曲し、英語の歌詞をつけたもの。映画『ホーム・アローン』(90)内で歌われ、世界中に知られるようになった。この歌は「ウクライナ語、ウクライナ文化が存在している」という明確な証として今も歌い継がれている。  1939年1月、ウクライナのイヴァーノ=フランキーウシク(当時はポーランド領スタニスワヴフ)から物語は始まる。同じ屋根の下で暮らすウクライナ、ポーランド、ユダヤの3家族が第2次大戦に巻き込まれ翻弄されても「キャロル・オブ・ザ・ベル」の歌に支えられ、ひたむきに生き続ける。ウクライナ人の母は、ポーランド、ユダヤ人の娘たちに加え「この子に罪はない」と言ってナチス・ドイツの子どもさえも預り、自分の子どもたちと同じよう懸命に戦火から守り抜く。 第二次世界大戦下のウクライナ年表 1917年11月 ウクライナ人民共和国の成立 1921年3月 ポーランド・ソビエト戦争終結 西ウクライナはポーランド領、その他はソビエト領となる ウクライナ人民共和国政府はポーランドに逃れて亡命政府を立てる 1922年12月 赤軍勝利によってソ連邦結成 ウクライナはウクライナ社会主義ソビエト共和国として一方的に併合される 1929年1月 ウクライナ民族主義者組織(OUN)創設 1932年4月〜1933年11月 ウクライナで当時のソ連政権による計画された人工的な大飢饉が起こる(ホロドモール) 1939年9月 ドイツとソ連によるポーランド侵攻、第二次世界大戦勃発 ソ連はその後ウクライナを占領 1941年 6月 ドイツ