スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

8月, 2023の投稿を表示しています

ウクライナの『戦争語彙集』をNHK紹介、岩波で今秋邦訳版

      〈記録されているのは、戦争によって“日常の言葉の意味が変わった”という体験。「風呂」は爆撃から“身を守る場所”へ変化し、「きれい」は戦争犯罪と結びついて“危険”を意味するといった事態が人々の中で起きています。〉     8月23日午後7時30 から放映されたNHKのクローズアップ現代は、「戦争が“言葉”を変えていく ある詩人が見たウクライナ」のタイトルで、今年5月にウクライナで出版された『戦争語彙集』を取り上げた。日本文学研究者ロバート キャンベルによる日本語訳は、同氏の解説やウクライナ訪問記を加えて、岩波書店が今秋刊行する予定。   『戦争語彙集』は、現地の詩人オスタップ・スリヴィンスキーやその仲間が市井の人たちから聞きとった「ストーリー」を短編にまとめたもの。すでに10か国語での翻訳が決まるなど、異例の早さで世界に広がっている。ロバート・キャンベルの日本語訳は、タラス・マルコヴィッチ氏の英訳を重訳している。  クローズアップ現代によると、語彙集のタイトルには「風呂」「星」「林檎」「夢」などすべて日常のことばが並び、それにまつわる体験を通して、戦争に直面したことで身近な“ことばの意味”が変わっていく様子が記録されている。オスタップ・スリヴィンスキーは、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻後、地元リビウに国内から避難してきた人々を支援するボランティア活動する中で、“言葉”の聞き取りを始め、百人以上から聞き取ったストーリーの一部を「戦争語彙集」として出版した。「人々の物語が忘却されてしまわないように、戦争で言葉の意味が変えられていく過程を記録するのが自分の使命」。

蒲郡市民会館で10月にナターシャ・グジーコンサート

   蒲郡市民会館では10月8日、「ウクライナの歌姫 ナターシャ・グジーコンサート」として、ウクライナ出身の歌手で民族楽器バンドゥーラ奏者のナターシャ・グジーのコンサートを開催する。11月3日で開館50周年を迎える記念行事で、1部が午後2時、2部が6時にそれぞれ開演。チケットは前売が一般2000円、中学生以下1000円で、当日は一般2500円、中学生以下1500。市民会館やチケットぴあ、セブン-イレブンで販売する。  地元紙の東愛知新聞によると、「 ナターシャ・グジーは6歳の時、チョルノービリ原発事故で被ばく、避難生活で各地に転々とし、キーウ市に移住した。その後バンドウーラの音色に魅了させられ、8歳から音楽学校で学ぶ。2000年に来日して日本語学校で学びながら音楽活動を始めた。今はライブ活動や音楽教室など多方面で活躍している」。結婚して日本に住む同じバンドゥーラ奏者で歌手のカテリーナ・グジーは、ナターシャの実の妹。  コンサートでは、「わがキエフ」「いつも何時でも」「翼をください」など10曲を演奏する予定。伴奏はピアニストの小関基之。また、ロシアのウクライナ侵攻を受け、ナターシャさんが取り組んでいる支援グッズも販売するという。   市民会館ホームページで紹介

刈谷日劇で『キャロルオブザベル』上映

    刈谷日劇日劇で8月18日から『キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩』を上映する。 第2次大戦下、領土を奪われ翻弄されるウクライナ、ポーランド、ユダヤ人の3家族が大地と子供たちを守り抜こうとする運命の物語。 キーウ在住のオレシャ・モルグネツ=イサイェン コ監督作品。上映時間は午後2時40分から4時50分(19日のみ午後3時50分から)で、25日からは上映時間が変わる予定。  タイトルのクリスマスキャロルとして有名な歌「キャロル・オブ・ザ・ベル」は、ウクライナで古くから歌い継がれている民謡「シェドリック」に“ウクライナのバッハ”との異名を持つ作曲家マイコラ・レオントーヴィッチュが編曲し、英語の歌詞をつけたもの。映画『ホーム・アローン』(90)内で歌われ、世界中に知られるようになった。この歌は「ウクライナ語、ウクライナ文化が存在している」という明確な証として今も歌い継がれている。  8月14日付東京新聞夕刊のコラム大波小波では、この映画に触れて、次のように書いている。「子どもたちが口ずさむのはタイトルとなっている歌である」、「映画ではこの歌が、それぞれの家庭の子どもたちをつなぐもの、そして分つものとして描かれる」、「ロシアによるウクライナへの侵攻を予期するかのようにつくられたこの映画は、国家や民族をこえて育まれる人と人との交わりと、愚かな戦争により市井のひとびとが被る悲惨な現実を映し出す」。  

NHKBSでBBCドキュメンタリーシリーズ『プーチンと西側諸国』

    西側諸国はなぜロシアによるウクライナへの侵攻を防げなかったのか? 英BBCが制作したドキュメンタリーシリーズ『プーチンと西側諸国』が NHKBS1で始まった。8月7日午後10時から放映された第1回「ロシアの裏庭で」は、クリミアが併合された2014年を舞台に、ロシア軍ではないと言いながら軍事侵攻したロシアのプーチン大統領の謀略と具体的な対抗策を打ち出せないままに対峙する欧米のリーダーたちを描く。14日午後10時から10時50分まで放映の第2回は、シリアが舞台の「アラブの春への反撃」。  『 プーチンと西側諸国』は、欧米のリーダーたちがプーチン大統領とどう向き合ってきたのか、本人やその側近の証言で歴史の内幕を明らかにするBBCドキュメンタリーシリーズ。第1回はロシアが一方的にクリミアを併合した2014年が舞台で、英キャメロン元首相、仏オランド元首相、独メルケル元首相、ウクライナ・ポロシェンコ元大統領などが登場。第2回は内戦が続くシリアが舞台で、当初仲介役を期待されたロシアは、西側のレッドラインを無視して、アサド政権を守るため一般市民に空爆を始めた。  NHKBS1の番組表が1週間後までしかウェブ上に出ていないが、2回だけでシリーズは終わらないはずなので、21日には第3回目が放映されるとみられる。ただし、どういうテーマになるのかは今のところ分からない。14日になれば分かると思うので、その時に追加で書き込みたい。

安城七夕まつりでウォッカサワーの立ち飲み販売

    8月4日から6日まで安城市内で「第70回安城七夕まつり」が開かれたが、末広公園の「すえひろピクニックin安城七夕まつり」に “飲んで支援” をテーマにしたウクライナ産ウォッカサワーの立ち飲み販売のテントが設けられた。実施したのは一般社団法人ウクライナ人道支援ジャクユーサポートで、ウォッカサワーのほか、ウクライナでよく飲まれているコンポートジュース、レモネードジュースの提供も行った。  立ち飲み販売は初日、2日目とも午後5時から9時まで実施したが、同様の時間に予定していた3日目は小雨混じりの風の強い天候ということから中止した。テントがジャクユーサポート葛西孝久代表理事が友人から借りたもので、かなり古く風にも弱いことも中止した理由という。会場が七夕まつりのメーン通りから離れていたこともあって初日の販売は苦戦したが、2日目は友人らが多数来場、2日間でほぼ経費分の売り上げは確保できたという。  ウクライナ産ウォッカは、日本初輸入となるウクライナ産ウォッカ「Vodka Distil( ディスティル)No9」。同ウォッカは、 高浜市の運送会社エーアイエスが 1月24日から自社ネットショップ「たまにわ酒店」で販売開始。輸入にあたっては、ウクライナの酒造会社社長と知り合いだったジャクユーサポート葛西代表理事が仲介した。ウォッカサワーの立ち飲み販売にあたっては、ウォッカと炭酸水との配合をいろいろ実験しながら独自に考えたという。コンポートジュースは、ストロベリーシロップとグランベリー果汁をミックスした飲料水。 葛西夫婦とボランティアスタッフ ウクライナウォッカ「ディスティルNo9」

刈谷日劇でキーウ出身女性監督作『世界が引き裂かれる時』

    ウクライナのドネツク州で2014年に起きたマレーシア航空17便撃墜事件を背景に描く、ウクライナ・キーウ 出身の マリナ・エル・ゴルバチ監督作『世界が引き裂かれる時』が8月4日から刈谷日劇で上映される。上映時間は午後1時40分から3時20分まで。8月24日まで上映される予定だが、金曜日に上映時間が変更されているので11日からは時間が変わるとみられる。  刈谷日劇によると、ストーリーは「ドネツク州 の村に住む、出産を目前に控える妻イルカと夫トリク。突然彼らの家が爆撃を受け、壁には巨大な穴が空いてしまう。広野に佇む崩壊した小さな家の二人。親ロシア派と反ロシア派の対立はさらに深まり、夫婦の日常は不穏な情勢に巻き込まれてゆく。」 ロシアによる ウクライナ侵攻 の直前、2022年1月に上映の第38回サンダンス映画祭ワールドシネマ部門監督賞をはじめ、41冠に輝く。  配給会社アンプラグドによると、長回しのワンカットや遠近法を効果的に用い、ワイドスクリーンの中で広い空間を舞台にしながら、死が待ち受ける逃げ場のない閉塞感を醸しだしているという。6月17日から東京のシアター・イメージ・フォーラムで初公開、順次全国の単館ミニシアターで上映されつつある。愛知県では、7月28日に閉館した名古屋シネマテークが7月1日から14日まで上映した。