スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

6月, 2023の投稿を表示しています

文化放送、ウクライナ出身オリハさんのPodcast新番組配信開始

   文化放送はこのほど、ウクライナ出身のパーダルカ・オリハさん(23歳)を契約社員として採用した。オリハさんは取材活動や発信など、国際的な視点や価値観が及びやすい業務、語学力を活かした業務を始めている。また、新Podcast番組『オリハの今まで知らなかったウクライナ』が配信開始された。同番組ではオリハさんがパーソナリティを務め、日本人が今まで知らなかったウクライナの文化などについて伝えていく番組。また、日本の文化を知ることでオリハさん自身も改めてウクライナに向き合うという。  文化放送齋藤清人社長は「ラジオは日常に寄り添うメディアと言われ続けてきました。世界の課題は他人事ではなく自分事として捉え、考え、実践することが求められている中で、将来はウクライナと日本の架け橋の役割を希望するオリハさんの発信力は文化放送の新しい風になることを確信しています」とコメント。  Podcast番組は今月6月20日に配信スタートし、6月27日に配信した2回目では、ウクライナ国内でITサービスが推進されている状況や、ウクライナの若者のIT企業就職事情などについて紹介している。(聞き手:文化放送・高橋ディレクター)  高橋「(ウクライナは)ITとかも発展しているの?」   オリハ「そうですね、特に若い男性はITのキャリアに憧れています。実際、男性の友達の中で1/3はIT関連の仕事に就職していますね」   高橋「エストニアなどで有名な電子政府というか、身分証がITになるとか、ウクライナもそういう似ているシステムが導入されているの?」   オリハ「実はウクライナが世界で初めて電子パスポートを実装しました。(これまでの)紙のパスポートの時と同様に、国内での身分証と海外へのパスポートの役割を果たし、ケータイで確認が済みます」   高橋「自分の身分証を証明するためにカードとかを持って歩く必要はないとことですよね」  オリハ「ないですね~」   高橋「(オリハさんは日本が未来的でテクノロジーに詳しいイメージ、と言っていたけど)逆かも。ITに強いのは日本じゃないかもしれない??」    <オリハさんプロフィール> 1999 年10月  、ウクライナ出身。2016 年9月〜 2020 年6月   キーウ国立大学 言語学院・極東及び東南アジア言語文学科 学士号(優等)。2019 年9月  国際交流基金 日

今秋にウクライナアニメ映画が日本初上映

   ウクライナのアニメーション映画『ストールンプリンセス:キーウの王女とルスラン』が今年秋に全国上映されることが決定し、このほど日本語字幕版予告編がYouTubeで公開された。映画は東欧を代表するアニメーションスタジオAnimagradによって制作され、騎士に憧れている役者のルスランと王女ミラの身分違いの恋と、2人が悪の魔法使いに立ち向かう姿を描いたファンタジー・ラブストーリーで、英語タイトルは『THE STOLEN PRINCESS』。ウクライナ制作のアニメーション映画として、日本初の劇場上映作品となる。  映画はElles Filmsの粉川氏がウクライナの映画業界への貢献を目的に、ほぼ全財産で日本上映権を購入。その後、全国規模の劇場公開と日本語吹替版の制作を目指して開始したクラウドファンディングでは、約700人 / 約950万円が集まった。その盛り上がりを受け、朝日新聞社、KADOKAWA、ねこじゃらし、ユナイテッド・シネマといった企業も同プロジェクトに賛同、製作委員会が発足された。 ■STORY■ 騎士に憧れを持つルスランと王女であるミラ。身分が違う二人はお互いの素性を知らぬまま出会い、やがて恋に落ちる。しかし、悪の魔法使いであるチェルノモールがルスランの目の前でミラを連れ去り、ミラの愛の力を自分の魔力に変えてしまう。ルスランは、愛するミラを助けるためにあらゆる障害を乗り越え、本当の愛は魔法よりも強いということを証明するべく旅へと出るが、そこには様々な困難が待ち受けていた…。 監督:オレ・マラムシュ 制作年:2018年/制作国:ウクライナ/制作スタジオ:Animagrad/上映時間:90分 日本語字幕予告編  https://www.youtube.com/watch?v=zoAxYU5-_eg

ウクライナ人女性監督の話題作『世界が引き裂かれる時』公開

    2014年にウクライナのドネツク州で実際に起こったマレーシア航空17便撃墜事件、この事件を背景とした話題の戦争映画『世界が引き裂かれる時』が公開された。監督は同作が長編5作目となるウクライナ人女性監督マリナ・エル・ゴルバチ。配給会社アンプラグドによると、長回しのワンカットや遠近法を効果的に用い、ワイドスクリーンの中で広い空間を舞台にしながら、死が待ち受ける逃げ場のない閉塞感を醸しだしている。6月17日からシアター・イメージ・フォーラムで初公開、順次全国の単館ミニシアターで上映されつつある。愛知県では名古屋シネマテークが7月1日から14日まで上映するが、同館は何と7月で閉館する。  作品はロシアのウクライナ侵攻が始まる直前の2022年1月、第38回サンダンス映画祭ワールドシネマ部門で監督賞を受賞し、続く第72回ベルリン国際映画祭でパノラマ部門エキュメニカル賞を受賞するなど、世界各国で41冠の栄誉に輝く。「ラスト15分は、深まる民族間の衝突、差し迫ってくる戦争の緊迫感に圧倒される。のちに現実となってしまうロシアのウクライナ侵攻を予見させる衝撃の問題作」(配給会社の作品紹介文)。 東京新聞シネマガイドで大きく紹介

ATP賞グランプリ候補にETV特集ウクライナ市民兵

  第39回ATP賞テレビグランプリはこのほど、番組部門 3ジャンル(ドキュメンタリー、情報・バラエティ、ドラマ)の最優秀賞、優秀賞、奨励賞、若手クリエイターを称える優秀新人賞、奨励新人賞の受賞作品を発表した。最優秀賞3作品の中から最高賞のグランプリ、そして優秀新人賞の中から最優秀新人賞が決定するが、結果は7月6日に行われる受賞式で発表する。  最優秀賞はドキュメンタリー「ETV特集 ブラッドが見つめた戦争 あるウクライナ市民兵の8年」(オルタスジャパン、NHKエデュケーショナル/NHK Eテレ)、情報・バラエティ「一軒家丸ごと壊す」(テレビ朝日映像/テレビ東京)、ドラマ「フジテレビ系木曜劇場 silent」(AOI Pro./フジテレビ)。これら最優秀賞の中から受賞式でグランプリ1作品が決定する。   第39回ATP賞テレビグランプリ受賞作品の選考対象は、2022年4月1日~2023年3月31日に放送・配信された番組で、応募総数197作品。主催の一般社団法人全日本テレビ番組製作社連盟(略称 ATP、理事長:IVS テレビ制作株式会社 代表取締役社長 福浦与一)は、東京、大阪の主要テレビ番組製作会社120社以上が加盟する団体。1982年に発足し、設立以来テレビ番組の質的向上を図ることによって、放送文化の発展と国民の文化的生活の向上に寄与することを目的として事業を行っている。  ATP 賞は、日本の映像コンテンツ産業の重要な担い手となっている製作会社の社会的機能を高め、そこで働く制作スタッフ一人ひとりの情熱や気概に応えるために、創り手である製作会社のプロデューサーやディレクターが自ら審査委員となって優れた作品を選ぶ、日本で唯一の賞として 1984 年に創設された。ドキュメンタリー部門、情報・バラエティ部門、ドラマ部門の3つのジャンルを基幹部門として作品を募集し、最高賞のグランプリを決定する。年1回の開催で、今回で第 39回目を迎える。 

刈谷日劇で戦禍のドキュメンタリー『マリウポリ7日間の記録』

    撮影後、ロシア軍に殺害されたリトアニア出身のマンタス・クヴェダラヴィチウス監督によるドキュメンタリー映画『マリウポリ7日間の記録』が6月2日から15日まで、刈谷市の刈谷日劇で上映されている。同作品は4月15日に東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムで初公開、その後順次全国各地のミニシアターで上映され、愛知県では5月13日から19日まで名古屋シネマテークで上映された。   監督の遺体と共に帰国した撮影済み素材をもとに製作チームが完成させたドキュメンタリー映画は、ウクライナの戦禍の惨状をありのままに伝えている。廃墟のような街の生きる人々、教会の中で避難生活を送る人々が砲弾の音が絶え間なく響く中で描かれる。時々遠景に打ち込まれたミサイルが横切っていく。バックに流れる音楽は一切なく、戦禍のリアルな映像が続いていくので、見ていると息苦しさを感じてしまう。また、撮影隊の出発を予告する声が入るが、映像ではどこへも出発しない。  昨年5月の第75回カンヌ国際映画祭では特別上映され、ドキュメンタリー審査員特別賞を受賞した。南部のアゾフ海に面したマリウポリは、現在もロシアに占拠されたままなので、映画に映っている人々がどうなっているかは分からない。まさに厳しい現実が今も続いている。 ビルの5階にある刈谷日劇

ナショナルジオグラフィック6月号が特別企画ウクライナ

    『ナショナルジオグラフィック日本版』6月号は、特別企画としてウクライナを取り上げ、地図上で戦火の1年を振り返るウクライナの最新地図を特別付録に付けている。特別企画ウクライナのパート1はロシア侵攻前にウクライナのメディアプロジェクトが記録した「わが愛しの祖国」で、パート2はフォトジャーナリストがとらえた「若者たちが描く未来」。  「わが愛しの祖国」は、ウクライナのジャーナリストや写真家、動画撮影者などが参加するメディア・プロジェクト「ウクライナー」が記録した祖国の日常。3月にウクライナーの写真集『美しきウクライナ 愛しき人々・うるわしの文化・大いなる自然』が日経ナショナルジオグラフィックから発刊されたが、今回掲載された写真は、同書に掲載されている(1点未掲載写真がある気がするが、断言できない。キンブルン半島の野鳥の群れを捉えた写真だが‥‥)。  「若者たちが描く未来」は、ウクライナに渡ったフォトジャーナリストの渋谷敦志氏によるフォトレポート。ブチャで起きた民間人虐殺を生き延びた女性、キーウに残ってボランティア活動をする大学生などをレポート。写真では、氷結したハルキウ州北部を流れるドネツ川で魚釣りをする住民の姿が印象的。風光明媚なリゾート地だったが、ロシアの砲撃にさらされて住民の大半が避難、わずかに残った住民は川で魚をとり、食糧難をしのいだという。