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5月, 2023の投稿を表示しています

刈谷市国際プラザでウクライナ画学生展

      5月25日から6月4日まで刈谷市国際プラザ(市民交流センター2階)で、ウクライナの画学生らの作品21点を集めた「ウクライナ画学生絵画展」が開かれている。共催は一般社団法人ウクライナ人道支援ジャクユーサポートで、同団体では鳳来寺山の麓にある旧門屋小学校で4月30日から5月7日まで、画家山本武夫氏と子息の拓也氏が開催したウクライナチャリティー展覧会に協力、ウクライナ画学生絵画展を併催したが、今回は同絵画展の巡回展という形で刈谷市国際交流協会とタイアップして開催しているもの。  ウクライナ画学生絵画展の作品はジャクユーサポート代表の葛西孝久氏夫妻が日本語教室で教えていたリビウの国立芸術アカデミーの美術学生から作品を募ったもので、7人が作品のデータを送ってきた。これら作品はウクライナからの発送が困難なため、デジタルデータをプリントアウトして額装している。また、7人の中にはすでにウクライナでグラフィックデザイナーとして働いていた女性もいるが、現在は愛知県に避難している。このグラフィックデザインナーはコロトコヴァ・エリザベータさんで、5月27日午後3時から国際プラザで開かれた交流会に葛西孝久代表と共に出席、自身の体験、思いなどを語った。   21点のウクライナ画学生がずらり並ぶ  この交流会は5月28日付朝日新聞が三河版で取り上げ、次のように書いた。「母国でグラフィックデザイナーとして働いていたコロトコヴァ・エリザベータさん(23)は、昨年3月に首都キーウ近郊のイルピンから避難し、愛知県内で生活する。絵画展には名古屋城の上空を平和の象徴であるハトが飛ぶ絵など3点を出品。日本でもデザイナーとして活動している。しかし、言語の壁もあって継続的に仕事の依頼を得るのが難しく、新型コロナウイルスのワクチン接種会場でアルバイトをするなどして生活費を賄ってきたという」。3作品のうち、伝統衣装を身につけた女性と「Remember me」の文字を配した作品は参加者がその場で購入していったという。  会場では、ウクライナ支援に賛同した市内在住の画家とそのアートスクール(恵舟庵アート・スタジオ)受講者の作品も展示。さらにメッセージボードも設け、来場者にひまわりの形のカードにウクライナに対する思いを書いてもらい、張り出した。 来場者の思いを書いたひまわり型カードも掲示 地元アートスクールも展

NHK出版新シリーズ第1弾は『ロシアはいかにして生まれたか』

    誰もが一度は耳にしたことがある「歴史的事件」と、その「なぜ」を考えることで今の世界や未来まで見通す「世界史のリテラシー」シリーズ、NHK出版が新たに刊行を開始した。。その配本第1弾『「ロシア」は、いかにして生まれたか--タタールのくびき』は、現在注目を集めるロシアの国家形成に、240年間にも及んだモンゴル=タタールによる支配がどのように影響したのかを辿る。著者は岐阜聖徳学園大学教授・宮野裕氏。  シリーズのウェブサイトでは、配本第1弾のイントロダクションを抜粋して公開している。以下、このイントロダクションを一部紹介してみる。結びの言葉「ロシアにはウクライナを自らの影響圏とする正当性があるかのような言説の原型も、この時期に現れました」とイヴァン三世の時代に触れているが、本文では「全ルーシーの一体性」というプーチン大統領の歪んだ歴史観の源流を浮かび上がらせている。          ♢      ♢      ♢  イヴァンの時代にロシアはモンゴル人による二世紀半にわたる支配(一般に「タタールのくびき」と言われます)から脱却し、独立を獲得しました。そしてこの独立とともに、国家機構を整え、領土の拡大も進めていきました。そういう事情があったので、ロシアが成立した経緯(独立だけでなく、くびきの時代も含めて)を追いかけていくと、ロシアという国のあり方、とりわけその基礎部分が見えてくるように思います。  そこで、本書では、四章に分けて、ロシアが「タタールのくびき」とどのように関係を結び、最後はそこから離脱し、ロシアとして飛躍の第一歩を踏んだのかについて、年代で言えば十六世紀初頭までの時期についてお話ししたいと思います。  第一章では、「タタールのくびき」とは何か、どのように成立したのかをお話しします。ロシアの歴史におけるくびきのインパクトは計り知れませんから、まずはこのくびきについてお話ししておきたいと思います。  第二章では、このくびきのなかでどのようにしてモスクワ諸公が力をため、競合諸国を追い落としながらこの地域の中心になっていったのか、その過程を追いかけます。私の考えでは、「タタールのくびき」がなければ、モスクワがロシアの中心になることはありませんでした。  第三章ではイヴァン三世の時代にロシアがようやく独立を果たし(くびきからの離脱。多くの研究者の意見では、一四八

来日したゼレンシキー宇大統領、日本国民に向けて演説

  ウクライナのゼレンシキー大統領は5月21日、訪日日程の終わりに記者会見を開催、日本国民へ向けた演説を行った。その中で、ウクライナに対するロシアの侵略戦争を終結させるための「平和の公式」実現の意義を強調した。  ウクライナ大統領府広報室は演説の全文を公表したが、ウクライナ国営通信社「ウクルインフォルム」日本語版による日本語全訳は以下の通り。  親愛なる日本国民よ! 平和を大切にする世界の全ての人よ!  私は、戦争によって歴史の石に影のみを残すことになってしまったかもしれない国からここへ来た(編集注:ロシアの全面侵略戦争でウクライナが消し去られてしまう可能性を指している)。しかし、私たちの英雄的な人々は、私たちが戦争をこそそのような影にしてしまうべく、歴史を戻している。  私は、世界に戦争の居場所はないと信じている。人類は、とても長い道を通ってきたのであり、血塗られた対立で多くの命を失ってきた。死が空から降ってきて、死が海からやってきた。放射線が死をもたらした。人々は、互いに死を持ち寄ってきた。ある者は、人類の歴史は戦争抜きには想像できないと述べる。私たちは、人類の歴史は、戦争抜きにしなければならないと述べる。  ウクライナは殲滅戦の中心地にいる。私たちの大地には、私たちウクライナ人を単に服従させたいだけではない侵略者がやってきた。ロシアは世界に嘘をついている。あたかも「ウクライナ人など存在しない」と。  もし私たちがこれほどまでに勇敢でなければ、ロシアの私たちに対するジェノサイドは成功してしまっていたかもしれない。ウクライナは影だけになってしまっていたかもしれない。全ての人々が、影だけに!  しかし、ウクライナ人は、果てしなく勇敢である。果てしなく自由を愛している。そして、私たちは生きていく! そして、私たちは自由に生きていくのだ。  敵は核ではない兵器を使っているが、ロシアの爆弾と砲弾で焼き尽くされた町々の廃墟は、私が先ほどここで見たものと似ている。私にとっては、その平和記念館を訪れられたことは光栄である。そのような機会を与えてくれたことにつきとても感謝している。あなた方の民が自分たちの歴史で目にしてきたことは、何千という家族のありふれた生活の代わりに、灰だけが残り、町の代わりに焼け落ちた廃屋が残り、建物の代わりに瓦礫だけが残る、というものだ。  今、広島は復興

『カテリーナの伝えたい5つのこと』出版、記念トークイベント&演奏会

    鎌倉市の出版社、ナイデルはウクライナ出身のバンドゥーラ奏者・カテリーナ(Kateryna)による書籍『カテリーナの伝えたい5つのこと』の出版を記念し、5月24日、県立神奈川近代文学館ホールでカテリーナの演奏、トークイベントを開催する。  同社が5月1日に発刊した新刊『カテリーナの伝えたい5つのこと』は、カテリーナが生まれてから現在に至るまで、その音楽活動を通して感じてきたことを、「生い立ち」「音楽のこと」「戦争のこと」「ウクライナのこと」「夢」の5つのテーマに分けてまとめたものになっている。ステージでも積極的にウクライナについて語るカテリーナだが、同書では公演時には語られない、その複雑な胸中も明かしている。  出版記念の「侵攻から1年3か月 ウクライナはいま」と題するトークイベント・演奏会では、現在ウクライナ・ドンバスに滞在中のMaria Magdalenaさんとオンラインで結び、現地での最新映像を公開しながら、カテリーナさんとのトークショーを行う予定。Mariaさんは昨年春にウクライナから日本に避難し、本年4月にウクライナに支援活動と取材を兼ねて一時帰国、5月末に再度日本に戻る予定。  ■トークイベント「侵攻から1年3か月 ウクライナはいま」=日時・5月24日(水) 18時開場 18時30分開演予定、場所・県立神奈川近代文学館ホール(横浜市中区山手町110)主催・株式会社ナイデル、イベント参加予約フォーム  https://naideru.co.jp/script/mailform/book_order/  ■カテリーナ(Kateryna)プロフィール=ウクライナの民族楽器・バンドゥーラ奏者。チェルノブイリ原子力発電所から2.5km離れた町、プリピャチで生まれる。生後約30日の時に原発事故で被災し、一家は町から強制退去させられる。6歳の時に原発事故で被災した子供たちで構成された音楽団「チェルボナカリーナ」に入団。以降、欧州や日本などの海外公演に多数参加。19歳の時に音楽活動の拠点を東京に移す。現在、日本で数少ないバンドゥーラ奏者の1人として、さまざまなコンサートで公演活動を展開中。  ■書誌情報=書名:カテリーナの伝えたい5つのこと、発売日:5月1日、価格:1,500円+消費税、仕様:四六判・上製・144ページ、発行:株式会社ナイデル  http://ww

ウクライナ作家による、万物の移動を描いた絵本『旅するわたしたち』発刊 

     ブロンズ新社は5月18日、ウクライナの絵本作家が描く翻訳絵本『旅するわたしたち On the Move』(ロマナ・ロマニーシン、アンドリー・レシヴ 作/広松由希子 訳)を全国の書店で発売する。判型208×290mm上製、本文64ページで、定価は2,420円(税込)。  同書は、新型コロナウィルス感染症が世界中にまん延し、人々の行動が制限された2020年にウクライナで刊行された。「移動する」「旅する」「冒険する」……、万物の行動原理である「動く」ことをテーマに、歴史や文化、人類の進化を、美しいビジュアルでたどった壮大なスケールの絵本。それぞれのイラストには解説が付いており、図鑑のように「知ること」の面白さも感じることができる。子どもだけでなく大人の知的好奇心も刺激する、ビジュアルブックの新境地となる一冊。刊行の翌2021年に国際的な絵本賞であるナミコンクールをはじめ、ヨーロッパ・デザイン賞など計5つの賞を受賞し、注目を集めた。  〈著者紹介〉 ロマナ・ロマニーシン、アンドリー・レシヴ  絵本作家、アーティスト。共に1984年⽣まれ。ウクライナのリヴィウを拠点に活動する。リヴィウ国⽴美術⼤学を卒業。アートスタジオAgrafka 主宰。2011年、ブラチスラバ世界絵本原画展(BIB)で出版社賞を受賞。邦訳に『戦争が町にやってくる』(⾦原瑞⼈ 訳/ブロンズ新社)、『うるさく、しずかに、ひそひそと ⾳がきこえてくる絵本』、『⽬で⾒てかんじて 世界がみえてくる絵本』(共に、広松由希⼦ 訳/河出書房新社)がある。  ・書籍サイト: https://www.bronze.co.jp/books/9784893097194/

月刊誌東京人で短期連載「東京の中のウクライナ」開始

    都市出版の発行する月刊誌『東京人』は、6月号から短期連載「東京の中のウクライナ」をスタートした。第1回目のテーマは「食」。元駐ウクライナ大使の天江喜七郎氏と英美さん夫妻、公邸料理人を務め、東京でウクライナ料理店を経営する飯島二郎氏に大地が長い歴史をかけて生み出したウクライナ料理について聞いている。同時にウクライナ避難民が働く西新橋のレストラン「スマチノーゴ」、ウクライナ避難民家族が営む週末限定の武蔵野市の家庭料理店「バブーシャレイ」を取材している。  連載ページの冒頭では、「ロシアのウクライナへの軍事侵攻から1年あまりが経ち、日本には約2300人の避難民が暮らす。ここ東京では古くからウクライナゆかりの人びとによる文化が根づいており、実はウクライナは遠い国ではない」と記載。第1回目の連載では、駐日ウクライナ特命全権大使セルギー・コルスンスキーのスペシャルインタビュー「肥沃な農地と伝統が育んだ豊かな文化に包まれた国」も掲載している。  この短期連載「東京の中のウクライナ」は、4回の連載となる。

ウクライナの原風景が残る、貴重なレシピ本

    誠文堂新光社は5月18日、『SUMMER KITCHENS  故郷ウクライナ追憶のレシピ』を発売する。いろいろな発酵食品や、ボルシチをはじめとしたスープ、餃子、サワードゥのパン・・・季節折々の家庭料理のレシピ100品。ウクライナ出身のシェフが美しい写真とともにつづる家族の思い出とレシピがつまった一冊。同書の売り上げの一部はウクライナの子どもたちの支援に寄付される。  ウクライナでは、屋内のキッチンの他に、畑の側に小さな小屋を建てる。そこで保存食を作り、時には祝祭のごちそうの準備をする。9月になると、家族総出でバケツいっぱいの甘いトマト、キュウリ、プラムなどの作物をサマーキッチンに運び込み、仕込みを行う。そこはウクライナの人々にとって日常の場所であり、特別な場所でもある。  【目次抜粋】 サマーキッチン ウクライナの味 発酵食品、ピクルス、保存食品~9月の手仕事 朝食と軽食~日の出から日没まで ブイヨンとスープ~滋養のひと皿 パン、パスタ、ダンプリング~粉と水の錬金術 野菜~野から森から 肉と魚~牧場と川と海から ケーキ、デザート、ぺストリー~甘い生活 サマーキッチンの思い出 メニューの提案 食材について SUPPLIERS ACKNOWLEDGEMENTS  【著者プロフィール】  オリア・ハーキュリーズ  ロンドンを拠点とするウクライナ人シェフ。フードライター、フードスタイリスト。ウクライナ南部の町・カホウカ出身。  【書籍概要】 書 名:SUMMER KITCHENS  故郷ウクライナ追憶のレシピ 著 者:オリア・ハーキュリーズ 仕 様:B5変判、352ページ 定 価:4,620円(税込) 発売日:2023年5月18日(木) 誠文堂新光社 書籍紹介ページ: https://www.seibundo-shinkosha.net/book/cooking/79228/

鳳来寺山麓の廃校でウクライナ支援チャリティー展覧会

  鳳来寺山の麓にある廃校となった新城市旧門屋(かどや)小学校で、4月30日から5月7日までウクライナ難民チャリテー展覧会「山本武夫とウクライナ画学生展-ウクライナに思いを寄せて」が開催されている。ウクライナの平和を願って制作を続ける山本武夫さん(85)の作品を集めて、息子の田原市に住む画家山本拓也さん(52)がチャリティー展覧会を企画した。開催にあたっては親交のある安城市の一般社団法人ウクライナ人道支援ジャクユーサポート葛西孝久代表に協力を求めてウクライナの美術大学生の作品を展示、関連グッズなどの販売も行い、売上金の一部を団体に寄付することになった。  この展覧会を4月30日に1面で大きく掲載した東愛知新聞によると、山本拓也さんは昨年3月から長野県飯田市のアトリエでピエロの絵を描き続ける父武夫さんを見てきたという。「サーカスが盛んなウクライナからピエロを着想。ステージでは人を楽しませる道化師だが、戦禍に遭って表情を曇らせたり、耐えたりする姿を表現した。『戦争への悲しみを表現したかったのだと思う。200点以上を描いていた』と振り返る」。展覧会にはこれら作品の中から35点を厳選して展示。その大半はピエロを描いているが、中には「NO WAR」の文字を入れた作品や、ひまわりを描いた作品もある。 ピエロを描いた山本武夫さんの作品がずらり並ぶ 自画像もピエロの姿  展覧会は旧門屋小学校の4つの教室を使っており、小さい畳敷きの2教室で21点の作品をデジタルプリントした「ウクライナ画学生展」を開催。これら作品は葛西氏夫妻が日本語教室で教えていたリビウ芸術大学の学生から作品を募ったもので、7人の学生が作品のデータを送ってきたという。「学生は戦禍の中でも羽ばたくコウノトリ、綿が爆発する瞬間など戦争で実感したことを表現」(東愛知新聞)、見る人を惹きつける生々しさがある。  受付を設けた教室では、山本拓也さんの作品をあしらったアートインテリア、シャツやウクライナ国旗カラーのペンケース・マスクなどのチャリティーグッズを販売、ウクライナウォッカの紹介も行っている。開場時間は午前10時~午後4時(7日は午後1時まで)。校庭ではパン屋などのテント販売も行われており、5月5日を中心に多数の来場が期待されている。 ウクライナ画学生の作品データをブリントして展示 作品の下には学生のコメント 廃校となっ