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2月, 2023の投稿を表示しています

NHK東海WEBで特集、ウクライナ避難夫婦を支える安城市の夫婦

  NHKは2月27日、午後6時10分からの東海地区情報番組「まるっと!」の中で、ウクライナから避難してきた夫婦を支える安城市の日本人夫婦を取材して放映した。その後、東海NEWS WEBに「特集ウクライナ侵攻1年 避難したウクライナ人夫婦を支援」のタイトルで同じ内容の取材動画を掲載した。   取材動画は、「ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から1年がたちました。いま東海3県にはウクライナから123人、70世帯の人たちが避難し、先行きが見えない不安を抱えながら懸命に生きています。去年4月に愛知県安城市に避難してきたウクライナ人夫婦とそれを支える日本人の夫婦を取材しました」というナレーションで始まる。  安城市に避難してきたのは、ルスランさん・リディアさん夫妻。3年前に日本語講師をしていた葛西孝久・不二恵夫妻にキーウで出会い、同夫妻を頼って安城市に避難してきた。いま月に1回、4人で食事をしながら近況報告会を開催している。「割り勘です。最初はおごっていましたが、今は収入がありますから、僕が払いますからって言ってくれるようになりました」と不二恵さん。日本がほとんど話せなかったため仕事探しには苦労したが、昨年10月にパン工場の正社員になった(画面にはパンのトラの工場)。  ルスランさん・リディアさん夫妻は、午前8時半から4時半までパン工場で働きながら、週3回は対面やオンラインで日本語の授業を受けている。リディアさんが心配しているのはウクライナで暮らす母親のことで、「お母さんは大丈夫だよと言っているけど、そうじゃなくて大変だと私たちはわかっています。一番怖いことは戦争です。戦争になると未来・将来がなくなります。平和になってほしい。ウクライナに住みたい」とリディアさん。「もちろんいつかウクライナに戻りたいですが、今はしばらく無理だとわかっているのでここで自分たちの国を助ける」とルスランさん。   https://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20230227/3000027854.html

名古屋地下街エスカで「NO WARポスター展」

    「ポスターでNO WARを叫びたい!」と、2月18日から27日まで名古屋駅地下街エスカのエスカセンタープラザで「NO WARポスター展」が開催されている。主催したのは特定非営利活動法人日本国際ポスター美術館で、ウクライナなど世界中から集まったデジタルデータの一部の40点をポスター紙に印刷して展示した。  展示会場には、日本ポスター美術館によるポスター展の狙いについて、「連日報道されるロシアのウクライナ侵攻に関する悲惨なニュースに心を痛め、私たちに何かできることは無いか?と、当館館長が声をあげました。『ポスターの力で、戦争を止めよう。平和な世界の実現に向けて、ポスターでNO WARを叫ぼう』と、次のように記載したパネルも展示している。  「3月18日より国内外の当館所縁のアーチスト、国立ポズナン美術館(ポーランド)、ウクライナグラフィックデザイナー協会、日本ウクライナ友好協会などの団体へメッセージを送り、NO WARポスターの制作を呼びかけたところ、その翌日より、国内外のアーティストからNO WARを叫ぶポスターのデジタルデータが当館に寄せられてきました。直ちに当館のウエブサイト上にNO WARページを立ち上げ、リアルタイムでNO WARポスターのデジタルデータを掲載してきました(現在も公開中)。友人から友人へとNO WARのネットワークが広がり、1ヶ月余りの間に世界30ヶ国、200名以上のアーティストから600点を超えるNO WARを叫ぶ作品が寄せられてきました。過酷な状況下にあるウクライナからも作品が届きました」。 インドネシアとウクライナからのの作品 ウクライナからの作品 ウクライナからの作品 ウクライナからの作品  2月20日付朝日新聞はポスター展を取材、「日本、ウクライナ、ポーランド、ドイツなど22カ国のアーティストの作品が並ぶ。ヒマワリ畑にミサイルが落ちる場面など、ウクライナ国旗の青と黄色の表現が目立つ。平和の象徴のハトが描かれた作品も多い。ポスター40点とモニターによる映像の計124点を展示している」と書いている。残念ながら平日の昼間に見に行ったところ、故障なのかモニターには映像が映っていなかった。しかし、印刷されたポスターの中に横尾忠則の作品があるのには驚いた。 横尾忠則の作品「NO WAR」

Yahoo! JAPAN、ウクライナ侵攻1年の特集コンテンツを公開

  ヤフー(Yahoo! JAPAN)はロシアによるウクライナへの軍事侵攻から1年を迎える2月24日、侵攻を振り返る特集ページや侵攻の様子を地図上で可視化したオリジナル動画、「Yahoo!ニュース コメント」を利用した企画などを公開した。1年が経過してなお両国による激しい攻防が続く中、Yahoo! JAPANでは侵攻の状況の発信やウクライナへの支援を続けていく方針という。 ■特集ページ「ロシアのウクライナ侵攻1年」 https://news.yahoo.co.jp/pages/20220217a   「両国の動向」「経緯と背景」など、ロシアによるウクライナ侵攻のさまざまな情報をまとめた特設ページを、「ロシアのウクライナ侵攻1年」として公開した。両国の動向を最新ニュースで追うコーナーや、「Yahoo!ニュース」がオリジナルで制作した、1年分の侵攻地図をつなげた動画を公開している。オリジナル動画では、侵攻の移り変わりを地図上で可視化し、「主な動き」をテキストでわかりやすく表示する。 ■Yahoo!ニュース企画「世界で続く戦争や紛争 あなたの平和への思いを書きませんか? #ウクライナ侵攻1年」  https://yahoo.jp/vAGRRk   世界ではウクライナ侵攻に限らず、様々な紛争が続いている。ユーザーが記事に意見や感想を投稿できる「Yahoo!ニュース コメント」を利用した、ウクライナやロシア、また危険と隣り合わせの生活を送っている世界の人々を思い、平和へのメッセージなどをインターネット上で共有しあうための企画。「Yahoo!ニュース」内に掲載した企画記事「世界で続く戦争や紛争 あなたの平和への思いを書きませんか? #ウクライナ侵攻1年」にコメントを書き込める。 ■未来に残す戦争の記憶「侵攻から1年 ウクライナ市民の暮らし」          https://wararchive.yahoo.co.jp/war-in-ukraine/feature2/   「未来に残す 戦争の記憶」は、戦争体験を未来の世代へ伝えることを目的にしたプロジェクト。ウクライナに残る人や、日本に避難した人の生活に関する記事・動画を公開する。海外メディアや新聞社、テレビ局、計7社と協力して制作する企画。   上記取り組みのほかにも、「#ウクライナ侵攻1年」を共通のテーマとして、「Yaho

日本初上陸ウクライナワインが1万4千kmの旅を経て発売開始

  弥栄(神奈川県横浜市)は、日本初上陸のワインを含むウクライナワインを2月15日から同社ショップサイト「ヴィノピオネール」で販売した。⁡⁡ ( http://shop.vinopioner.co.jp/ )  ウクライナワインは、黒海やカルパチア山脈の恩恵を受けた土壌で育まれるブドウを使用しており、黒海のミネラルを含んだほのかな塩見や、豊かな花の香りが特徴のワイン。ウクライナワインの歴史は11世紀頃からと古く、伝統あるワイン産地として、アメリカ・ヨーロッパ・オーストラリアなどへの輸出が盛ん。国内外のワインフォーラムやヨーロッパのソムリエからの評価も高く、世界各国でその品質の高さや美味しさが認識されている一方で、日本での流通量は極めて少なく、当社が日本における唯一の輸入販売店となっている。   これまで同社が取り扱うウクライナワインは、オデーサ港から出航する船で日本へ届けられていた。しかし、長期化するウクライナ侵攻でオデーサ港が攻撃を受けた後、一旦は入荷がストップしたが、同社は日本への輸送ルートの確保を諦めなかった。今回の船便は、ウクライナ北西部にあるザカルパッチャという場所に出荷されるワインを集め、そこから一路ポーランドへ。約930kmの陸路を通り、ポーランド国内のグダニスクという港を出航した。バルト海を通って日本の横浜港に到着するまでの距離は14,064km。このように、非常に遠回りなルートを使い半年ぶりにウクライナワインの輸入に成功した。 ベイクシュワイナリー   今回輸入したウクライナワインの種類は、日本初上陸のワインを含む8種類。そのうち、ベイクシュワイナリーの「シャルドネリザーブ」と「アルビナ」はデキャンタワールドワイン2022で金賞と銀賞を受賞している。ベイクシュワイナリー(BEYKUSH WINERY)は、ウクライナのミコライウ州にあるわずか11ヘクタールほどの小さな畑で、選別・圧搾・倉庫保管・瓶詰に至るまで、徹底的に手作業にこだわって愛情深く育て上げたワイン。⁡名前の由来でもあるベイクシュ岬のすぐそばにあり、大自然の中でワイン作りをしている。小規模ワイナリーながら、国際的コンテストで金賞銀賞を受賞するワインを生み出している。  ●シャルドネリザーブ(CHARDONNAY  RESERVE)=デキャンタワールドワイン2022金賞受賞=白桃、バニラ、バ

「ウクライナとともに」―隣国から支え続ける日本人が1年を振り返る書籍

    2月22日、双葉社から坂本龍太朗の著書『ウクライナとともに 涙と笑顔、怒りと感謝の365日』が刊行された。 著者は、ウクライナの隣国ポーランドで学び日本語学校を創立、教鞭をとりながら、和太鼓や書道といった日本文化をヨーロッパで広める活動を行ってきた。そんな中、突如起きたのがロシアによるウクライナ侵攻。昨年2月24日、多くの専門家の予想を裏切る形で突然勃発したロシアの侵攻に、当事国ウクライナだけではなく世界中が驚かされた。押し寄せる多くの避難民……。その日から、彼の支援活動が始まった。  同書は、ウクライナ避難民を最も受け入れている隣国ポーランドで支援の前線に立ち続ける1人の日本人による記録。侵攻直後から避難民の受け入れや、戦地に残る人たちへの支援に奔走。あれから1年、現地では何が起きていて、どんな支援が必要なのか、また日本にいる私たちができることは何かを強く伝える1冊。  書籍の売り上げの一部、また著者が得る報酬の全てを「千曲市ウクライナ避難民を支える会」を通じてウクライナ支援に充てる。 【書誌情報】 書名:ウクライナとともに 涙と笑顔、怒りと感謝の365日 著者:坂本龍太朗 発売予定日:2023年2月22日 予定価格:1,980円(税込) 仕様:四六判ソフトカバー 344ページ ISBN978-457531778-7 【主な内容】   「私たちはいつどこで突然避難民に、また支援者になるか分からない。それだけ情勢を読むのが難しい世界に私たちは生きている。だから知ってほしい。新聞やテレビを通しては届いてない現実を。ヨーロッパはどうウクライナを支え、ウクライナはどう戦っているのかを」(序章から)  第一章 戦前、まやかしの平和  第二章 戦争勃発  第三章 支援の本格化  第四章 世界に届かない小さな声たち  第五章 先細りする支援と帰国の波  第六章 支援疲れを支援慣れに  第七章 越冬支援の開始  第八章 必ず、春は来る   【著者プロフィール】   坂本龍太朗(さかもと・りょうたろう)  1986年2月14日、岐阜県生まれ、長野県育ち。ポーランド・コレギウム シヴィタス大学大学院国際関係研究科卒業。静岡大学教育学部在学中にアメリカ・ネブラスカ大学オマハ校、ベラルーシ・ホメリ国立大学奨学生。2010年に大学院に進学して以降、ポーランド在住。大学院在籍中にワル

京都市京セラ美術館でプリマチェンコを想うイベント

    日本サルベージサービスとstyle KYOTOは3月3日、京都市京セラ美術館光の広間で音楽イベント「アートは、静かに憤る。」を開催する。時代の犠牲となってしまった〝アート〟、ウクライナのマリア・プリマチェンコを想いを寄せたイベントで、午後6時半から開催する。  首都キーウの北西にあるイヴァンキフ歴史・地方博物館がロシア軍の攻撃により破壊され、同館にあったマリア・プリマチェンコの作品25点が消失した。マリア・プリマチェンコ・ファミリー財団によると、地元の人々の助けにより作品の一部は救い出すことができた。この事件をきっかけに、アート業界ではマリア・プリマチェンコの作品が平和の象徴として再評価され、注目を集めている。今回のイベントでは、「破壊されたアート作品の静かなる憤りに耳を傾け、プリマチェンコ氏のクリエイティブな意思や想いを、ウクライナ民謡にのせてお届けいたします」(主催者)。  マリア・プリマチェンコ(1908〜1997)は、素朴派と呼ばれる独学で美術の道を歩んだアーティスト。ウクライナ素朴派の民芸装飾芸術家の代表格で、国内でも広く知られ1970年代には切手にもなっている。また、1966年にはウクライナのタラス・シェフチェンコ国立賞を受賞。ユネスコは2009年を「マリア・プリマチェンコの年」と宣言している。     〈公演概要〉 日時:2023年3月3日(金)18:30開演 会場:京都市京セラ美術館 本館光の広間  京都市左京区岡崎円勝寺町124 入場料:無料(※下記URLより要申込)   https://peatix.com/event/3498139/view     〈公演内容〉 画家『プリマチェンコを想う』 語り手:加須屋明子氏 第二部    コンサート『ウクライナに想いを寄せて』  歌唱:小玉洋子(ソプラノ独唱) / 伴奏(ピアノ):辻本圭  《予定曲目》  ●キエフの鳥の歌~日本語版(日本語歌詞:木内宏治 作曲:中島章利)   日本人がキエフ訪問の際に歓迎会で歌われ、日本に持って帰った曲。  ●月の照る夜(ウクライナ民謡)   ウクライナ民謡で一番有名と言われるロマンスを歌った曲  ●美しいミンカ/かわいいミンカ(ベートーヴェン:23の各国より)   ウクライナ民謡〝コサックはドナウを越えて〟が原曲でベートーヴェンが作曲した歌曲   ※当日は 

朝日新聞にウクライナ支援でウォッカ輸入の記事

    2月12日付朝日新聞朝刊の社会面に、ウクライナ支援の一環としてウォッカの輸入販売を実現した安城市の葛西孝久氏夫妻の記事が掲載された。葛西氏は一般社団法人ウクライナ人道支援ジャクユーサポートを設立して活動するが、同氏の仲介で酒販事業も展開する高浜市の運送会社エーアイエスは、日本初輸入となるウクライナウォッカ「ディスティルNo9」を1月24日に発売した。中部空港の倉庫にウォッカの箱を引き取りに行く様子を交え、NHKが1月26日午後6時10分からの地域情報番組「まるっと!」で放映したが、朝日新聞の報道はこれに続くもの。  朝日新聞の記事によると、輸入販売を開始したウォッカは、キーウの集合住宅で葛西氏の隣人だった男性が社長を務める酒造会社「Premium Spirits Brands」の商品の一つという。「孝久さんと社長の男性は、お互いの部屋を行き来して、ウォッカを酌み交わした。男性の会社が生産しているウォッカは、『ウォッカの概念が変わるほどおいしかった』。言葉が通じなくても、ウォッカを仲立ちとして友情を深めた。だから、『友人を助けたい』との思いが強かった」。「孝久さんは『現地で働く人の1人分の給料でもいい。わずかながらでも支援したい』と高浜市の運送会社エーアイエスに相談した」。  当初海路輸送を計画していたが、戦禍のオデーサ港が使えず、ホーランドからの空輸に切り替えた。昨年4月の構想から9カ月後の昨年末、中部空港にウォッカのボトル576本が到着した。ウォッカは大麦やトウモロコシ、ジャガイモなどを原料にしているが、高級酒として知られる「ディスティルNo9」は小麦のみでつくられた蒸留酒。朝日新聞では、「どんなシーンにも合う、フレッシュな味わいだ」という酒造会社海外販売担当者のコメントを紹介。  高浜市のエーアイエスについては朝日新聞はほとんど触れいてないが、同社は運送業を中心に事業展開すると共に酒販事業も行う。この酒販事業では洋酒のネットショップ「たまにわ酒店」を運営。同時に事務所内に販売スペースを作り、不定期ながら店舗営業も行っている。ウクライナウォッカのディスティルNo9は税込み1本4680円で販売。売り上げの一部はウクライナ支援として寄付するという。

新潮選書に鶴岡路人著『欧州戦争としてのウクライナ侵攻』

    新潮社は、慶應義塾大学准教授でいま注目を浴びている国際政治学者である鶴岡路人氏による新刊『欧州戦争としてのウクライナ侵攻』を2月22日に発売する。新潮選書(四六判変型ソフトカバー)として発刊するもので、定価は1,815円(税込)。  2022年2月24日に始まったロシアによるウクライナへの一方的な侵攻は、単に「ロシアによる戦争」という事象を超えて、今や欧州全体を巻き込む「欧州戦争」と化している。全欧州が結束して武器や弾薬の供与に踏み切った背景はどこにあるのか、欧州全域に大きな影響を及ぼしているエネルギー危機は今後どうなるか、ロシアによる「核兵器使用」の脅しは台湾有事とどのように関わるのか――欧州の政治、特にNATOの安全保障を専門とする著者が、冷戦後の秩序を一変させる欧州の大転換の構造を分析、戦争が日本に突き付けるものを考察し、「ウクライナ後の世界」の課題を展望する。 ◆ 著者の言葉   2022年2月24日にはじまるロシアによるウクライナへの全面侵攻は、世界に巨大な衝撃をもたらした。この戦争をいかに捉えたらよいのか。筆者自身、悩みながら情勢を追っていたら、あっという間に1年が経ってしまった。本書では、これまでの展開を踏まえ、この戦争の本質に迫っていきたい。1年間の中間報告である。  端的にいえば、この戦争は「プーチンの戦争」ないし「ロシアの戦争」とし てはじまった。しかし、当初のロシアの計画どおりには進まなかったために、戦争の性格が次第に変化した。ウクライナが抵抗を示すなかで、米欧の同盟であるNATO(北大西洋条約機構)の関与が深まるとともに、欧州全域への影響が大きくなり、今回の戦争は「欧州戦争」と呼ぶべきものへと変容したのである。この過程を検証したい。欧州全域を視野に入れることで、この戦争の本質が明らかになる。これが本書の主題である。(「はじめに」より) ◆本書の目次   本書関連事項 略年表  地図:欧州主要部 ウクライナ主要都市と周辺国 第一章ウクライナ侵攻の衝撃  「さらなるウクライナ侵攻」前夜の攻防  プーチンの主張する「NATO不拡大約束」とは何だったのか  抑止と同盟の視点からみえる戦争の構図  ウクライナの「中立化」と「安全の保証」の相克  失われる停戦の意味  戦争における「語られ方」をめぐる攻防 第二章   ウクライナ侵攻の変容  武器

どうなる?パリオリンピック

 〈1月26日 日経新聞電子版〉   【ジュネーブ=共同】国際オリンピック委員会(IOC)は1月25日、ウクライナ侵攻でスポーツの国際大会から除外されているロシアとベラルーシの選手について「いかなる選手もパスポートを理由に大会参加が妨げられてはならない」とし、復帰を検討していくと発表した。自国を代表しない「中立」の立場、戦争を積極的に支援しないことなどを条件としている。  IOCは17、19日にIOC委員や国際競技連盟(IF)などと会議を行い、両国選手の国際大会参加について意見を集約。出席者の大多数が復帰検討を支持しているとし、25日に理事会を開いて協議した。来年のパリ五輪へ向けた予選の本格化を控え、昨年12月にアジア・オリンピック評議会(OCA)が国旗、国歌の使用などを禁止する制裁措置は尊重した上で、両国選手のアジアでの競技会参加を促す提案をしたことには「歓迎し、高く評価する」と指摘した。スポーツ選手の権利向上を目指す支援団体「グローバル・アスリート」はウクライナ選手たちとの連名で「IOCはロシアの残虐な戦争とウクライナへの侵略を支持するというメッセージを世界に発信した」と批判する声明を発表した。  〈1月28日ウクルインフォルム通信〉   ウクライナのゼレンシキー大統領は1月27日、同国はオリンピックへとテロ国家ロシア連邦の代表者が参加することのないように活動していくと発言した。「私たちは、国際オリンピック機構幹部を冷笑的態度や、世界のスポートへとテロ国家代表者を引き込もうとするあらゆる試みから浄化するための『正直のマラソン』を始める。国際オリンピック委員会のトーマス・バッハ委員長による発言には、失望せざるを得ない。私は、彼と何度も話したが、ロシアのスポーツマンを国際大会に戻す場合に、彼がどのようにしてスポーツを戦争プロパガンダから守るつもりなのかについては、一度も聞けなかった」。  同氏はまた、戦争が続く以上、中立というものはないと強調し、「私は、バッハ氏がそのようなことを主導することになった動機が何だったのか調べたいとは思わない。しかし、私は、世界がスポーツをテロ国家の政治的な影響やその他のあらゆる影響から守るために全てのことを行う。ロシアのスポーツマンが大会に参加したら、そのような影響は避けられない。パリ・オリンピックは言うまでもない。ところで、私は、バッ