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「ウクライナとともに」―隣国から支え続ける日本人が1年を振り返る書籍

 

 2月22日、双葉社から坂本龍太朗の著書『ウクライナとともに 涙と笑顔、怒りと感謝の365日』が刊行された。 著者は、ウクライナの隣国ポーランドで学び日本語学校を創立、教鞭をとりながら、和太鼓や書道といった日本文化をヨーロッパで広める活動を行ってきた。そんな中、突如起きたのがロシアによるウクライナ侵攻。昨年2月24日、多くの専門家の予想を裏切る形で突然勃発したロシアの侵攻に、当事国ウクライナだけではなく世界中が驚かされた。押し寄せる多くの避難民……。その日から、彼の支援活動が始まった。

 同書は、ウクライナ避難民を最も受け入れている隣国ポーランドで支援の前線に立ち続ける1人の日本人による記録。侵攻直後から避難民の受け入れや、戦地に残る人たちへの支援に奔走。あれから1年、現地では何が起きていて、どんな支援が必要なのか、また日本にいる私たちができることは何かを強く伝える1冊。

 書籍の売り上げの一部、また著者が得る報酬の全てを「千曲市ウクライナ避難民を支える会」を通じてウクライナ支援に充てる。

【書誌情報】
書名:ウクライナとともに 涙と笑顔、怒りと感謝の365日
著者:坂本龍太朗
発売予定日:2023年2月22日
予定価格:1,980円(税込)
仕様:四六判ソフトカバー 344ページ
ISBN978-457531778-7

【主な内容】
 「私たちはいつどこで突然避難民に、また支援者になるか分からない。それだけ情勢を読むのが難しい世界に私たちは生きている。だから知ってほしい。新聞やテレビを通しては届いてない現実を。ヨーロッパはどうウクライナを支え、ウクライナはどう戦っているのかを」(序章から)
 第一章 戦前、まやかしの平和
 第二章 戦争勃発
 第三章 支援の本格化
 第四章 世界に届かない小さな声たち
 第五章 先細りする支援と帰国の波
 第六章 支援疲れを支援慣れに
 第七章 越冬支援の開始
 第八章 必ず、春は来る

 【著者プロフィール】
 坂本龍太朗(さかもと・りょうたろう)
 1986年2月14日、岐阜県生まれ、長野県育ち。ポーランド・コレギウム シヴィタス大学大学院国際関係研究科卒業。静岡大学教育学部在学中にアメリカ・ネブラスカ大学オマハ校、ベラルーシ・ホメリ国立大学奨学生。2010年に大学院に進学して以降、ポーランド在住。大学院在籍中にワルシャワ日本語学校を設立。学校経営のかたわら和太鼓や書道をポーランド国内外で紹介。現在、ワルシャワ日本語学校教頭、ポーランド日本語教師会事務局長、ポーランド日本祭り事務局長。著書に『日本を出て、日本を知る ~日本人が日本人として、これからの時代を生き抜くヒント~』などがある。2022年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻に対して、隣国から支援を続けている。2022年、ウクライナ支援に対し、第27回信毎選賞を受賞。

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