撮影後、ロシア軍に殺害されたリトアニア出身のマンタス・クヴェダラヴィチウス監督によるドキュメンタリー映画『マリウポリ7日間の記録』が4月15日、東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムを公開された。その後順次全国各地で上映され、愛知県では5月13日から名古屋シネマテークで上映される。昨年5月の第75回カンヌ国際映画祭では特別上映され、ドキュメンタリー審査員特別賞を受賞した。
〈配給会社オデッサ・エンタテイメントの公式サイトから〉
1991年のウクライナ独立、そして2013年から2014年のマイダン革命に端を発し、ウクライナの東部に位置するドンバス地方では、親ロシア分離派とウクライナ系住民との紛争が絶え間なく続き今日に至っている。そのウクライナ東部ドンバス地方のマリウポリは、ロシア軍に侵攻、包囲され、砲撃によって街は廃墟と化した。眩しい日差しの下、人っ子一人見当たらない瓦礫の街の風景は、人類すべてが滅亡してしまったかのようだ。
リトアニア出身のマンタス・クヴェダラヴィチウス監督は、2016年にすでにマウリポリを訪れ、同地の人々の日々の営みを記録した『Mariupolis』(日本未公開)を発表し、高い評価を得ていた。本作はその続編ともいうべき作品。クヴェダラヴィチウス監督は、侵攻間もない3月に現地入りし、破壊を免れた教会に避難している数十人の市民らと生活を共にしながら撮影を開始。だが、数日後の3月30日、同地の親ロシア分離派勢力に拘束され、殺害された。助監督だった監督のフィアンセによって撮影済み素材は確保され、遺体とともに帰国。クヴェダラヴィチウス監督の遺志を継ぎ、作品は製作チームが完成させた。
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