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ウクライナ紛争被害者に3Dプリント義足届けるクラウドファンディング開始

  3Dプリンティングおよび機械学習(AI)技術を活用して、世界初となる3Dプリント義足を海外で製造販売するインスタリム(本社東京)は、ウクライナ紛争で激増するウクライナ市民の脚切断患者に対する100本の義足提供を目的として、同社独自の3D・デジタル遠隔製造技術を用いた義足提供プロジェクトを立ち上げた。このための事業費の募集を、4月21日からクラウドファンディングサイト「READYFOR」で開始しました。募集期間は6月19日までで、募集金額は530万円を目指す。

■ クラウドファンディング立ち上げの背景

 ウクライナでは現在、最大5千人が『義足』を必要としている。現地の義足製作所によると、寄付などにより義足製作のための材料もパーツもあるが、圧倒的に義足を作る人材が不足している状況。義足製作は世界を見渡しても未だほとんどが手作業であり、ウクライナでは現在、この手仕事の職人の多くが国外に避難している上、国内に残された数少ない職人の人的リソースは、主に最前線で負傷した兵士のための義足製作にほぼ特化して利用されている。

 インスタリムは、世界ではじめて「デジタル製作による、3Dプリント義足」を商用化した日本のスタートアップ。これまで、フィリピンとインドを拠点に、金銭的理由で義足を購入できない人たちに向けて、3Dプリント義足を届ける事業に邁進してきた。今回の紛争で5千人が『義足』を必要としていると知り、今年1月に実際にウクライナを訪れて、現地の医療機関や義肢装具製作所への調査を行った。そして、「私たちのデジタル義足製作技術でなら、ウクライナの市民により多くの義足を届けられる」と理解、いま義足を待っているウクライナ人に、まず100本の義足を届けようとクラウドファンディングを立ち上げた。

 https://readyfor.jp/projects/instalimb_ukraine/ 

■ インスタリムについて

  義足は、一人一人の体に合わせて医学的に最適な形状を手作りする必要があり、1本あたり30~100万円と高価なため、糖尿病性壊疽などの血管疾患や交通事故などで脚の一部をなくしたにもかかわらず義足を購入できない人が世界に4,000万人以上も存在すると言われる。このような社会課題を解決するために、同社は3DプリンティングおよびAI技術を活用した新しいデジタル製造ソリューションを開発し、従来の約10分の1水準となる低価格で、かつ短納期の3Dプリント義足を、2019年からフィリピンで、2022年からインドで製造販売。現在、1,000人以上のユーザーに義足を提供しており、継続的に毎月100人程度の人に義足を販売している。



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