11月に入って、ウクライナで覆面アーティストのバンクシーが描いた壁画が次々見つかっている。11月17日には、バンクシー本人がインスタグラムにウクライナで描いた7点の壁画と共に、作品制作作業を撮った動画を投稿した。
動画は約1分30秒で、まず「2022年11月」という日付と「ウクライナ、ホレンカ」という街の名前が現われ、パーカーを着たアーティストが壁にスプレー缶を吹き付ける様子が映る。壁画は浴槽に入った老人を描いたもので、カメラが引いていくと破壊されたマンションの内側の壁に描かれていることが分かる。動画の音楽は、読売新聞オンラインによると旧ソ連時代にウクライナで流行した曲で、作曲家はKGBによる暗殺説があるという。
キーウ近郊のホレンカ |
動画では、ガスマスクを着けた姿で消化器を持つ女性を描いた壁画(ホストーメリ)、ネックカラーを付けながら演技する女子体操選手を描いた壁画(イルピン)、瓦礫の中で逆立ちをする体操選手を描いた壁画(ボロジャンカ)、さらに対戦車障害物をシーソーとして使う2人の子どもを描いたキーウ市内の壁画、「Z」の文字が描かれたロシアの装甲車に乗せた核弾頭を描いた壁画を次々と映し出す。このあと、子どもを連れたウクライナ女性が映し出され、「ここに爆弾が落ちて、たくさんの人が亡くなった。うちの子はこの幼稚園に通っていた」、「私たちはたくさん泣いた。もう涙は残っていない」と語る。
動画の後半では、柔道着に黒帯を絞めた小柄な少年が大人の男性を投げ飛ばす姿を描いた壁画が映り、「IN solidarity with the people of Ukraine(ウクライナの人々と連帯する)」というメッセージが浮かび上がる。また、動画の最後では男性が「Z」文字のロシア装甲車に乗せた核弾頭の絵を指差して、「これのこと? 奴を酷い目にあわせてやる」と話している(HUFFPOSTの日本語訳)。
Zの文字が描かれたロシア装甲車 |
ホレンカはキーフ近郊の村で、ブチャやイルピンにも近い。旧ソ連時代のアパートや住宅がロシア軍によって破壊された。
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