ウクライナの国民的画家として知られるマリア・プリマチェンコ作品の特別展がリビウの国立博物館で開かれている。10月9日付の朝日新聞デジタルで掲載され、なぜか朝日新聞本紙の掲載はなかった。しかし、10月20日付の夕刊で「ウクライナのブリューゲル 戦禍 空っぽの博物館の安らぎ」の見出しで掲載された。デジタル版では有料登録がないと一部しか読めなかったので、以前デジタル版で掲載された記事と全く同じなのかどうか分からないが、朝日新聞本紙だけの購読者としては「よかった」と胸をなで下ろしている。
実はこのデジタル版の記事掲載について、本紙に掲載する予定はないのか、「朝日新聞デジタルお客様窓口」に問い合わせを行った。その時に回答は、「未定となっております。なお、記事の全文の閲覧には、有料コースの登録が必要です。10月18日までの期間限定で、朝日新聞本紙をご購読いただいている方向けに、月額税込500円で6カ月間利用できるキャンペーン・ダブルコースがお申し込みいただける秋トクキャンペーンを開催中です。この機会に是非お申し込みをご検討いただければ幸いです」というものだった。質問したことが掲載につながったかは分からないが、少しは影響を与えたかもしれない。
一番上にアップロードした写真画像はプリマチェンコ画集の表紙の一つ。今のところ画集はウクライナ語版しか日本で手に入れられず、しかもどこの書店も品切れ状態のため、この朝日新聞の記事がきっかけとなり日本語版も発売されるようになればと思う。ロシアのウクライナへの軍事侵攻以降、プリマチェンコの作品はアート業界で再評価され、平和的なシンボルとなっているという。
10月20日付朝日新聞夕刊の一部抜粋 |
朝日新聞によると、リビウの国立博物館で開かれている特別展は晩年に当たる83-94年の89点を集めた「ウクライナに捧げる」展。プリマチェンコはウクライ北部イワンキウ近郊に生まれ、生涯を地元の農家で過ごした。若い頃、伝統工芸の刺繍に打ち込んで腕前を評価され、のちに絵筆を手にした。生前は知る人ぞ知る存在だったが、死後急速に人気が高まったという。「訪問客に作品を無造作に譲り渡し、散逸したものも多い。死後の98年ごろ、キーウの美術史家エドゥアルド・ディムシツ氏が遺族を訪ね、その価値を見い出した。以後、同氏は約10年かけて、200点あまりの作品を遺族から購入した。当時は1点100ドルあまりで、農村画家にしては高いという程度。現在は1点50万ドルの場合もあるという」。
ロシアの軍事侵攻を受けて、ディムシツ氏は西部の山里にプリマチェンコの作品群とともに避難。また、収蔵品を避難していた国立博物館はリビウへの大規模侵攻が薄れたため再開を模索したが、文化財保護の規定から収蔵品を戻せないでいた。ディムシツ氏が旧知の館長の悩みを耳にして特別展開催が急きょ決定したという。特別展の会期は7月27日から10月30日まで。
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