ウクライナの国民的画家として知られるマリア・プリマチェンコの作品がロシアの軍事侵攻で25点焼失と報道されたが、彼女の特別展がリビウの国立博物館で開かれている。10月9日付の朝日新聞デジタル版によると、同館は6月に再開したが、収蔵品の多くはロシアの攻撃を避けるため展示できず、その窮状を聞いた個人収集家の協力で実現した。晩年に当たる1983-94年の89点を集めたもので、関心は極めて高く、市民の安らぎの場となっている。8月にゼレンスキー大統領も鑑賞したという。
マリア・プリマチェンコは1909年に北部チェルノブイリ近郊に生まれ、生涯を地元農家暮らし1997年に死去した。美術手帖によると、独学で美術の道を歩んだアーチストで、カラフルな画風はウクライナ国内で広く知られ、1970年代には切手にもなっている。1937年、パリ万国博覧会で作品を見たパブロ・ピカソは、彼女の作品を絶賛した。1966年にはウクライナのタラス・シェチチェンコ国民賞を受賞。シンプルな構図とカラフルな色彩の絵には、草木や空想が混じった不思議な動物が描かれている。ロシアの軍事侵攻後、彼女の作品はアート業界で再評価され、平和的なシンボルとなっているという。
リビウ国立博物館の特別展=8月22日撮影(朝日新聞) |
朝日新聞デジタル版は購読していないが、記事には10月30日まで開催していると朝日新聞に教えてもらった。
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